【エンジニアブログ】SAP ERP モジュールコンサルタントについて

プロアクシアコンサルティングでビジネスソリューション事業部に所属しています K.T です。

今日は、SAP ERP のモジュールコンサルタントについて紹介したいと思います。

これまでの経歴について

1997年(3.0x) から SAP に携わっており、20年以上の長期間に渡って1つのアプリケーションでお仕事をさせていただいています。

職歴の中で SAP 関係以外で特に印象的だったのは、大手消費財メーカー様の生産管理システム構築(スクラッチ開発)プロジェクトに足掛け4年間参加できたことです。
このプロジェクトでは、要件定義~開発~テスト~導入~保守までの一通りの工程を経験することができ、システム開発面・生産管理業務面の両方で多くのことを学びました。

担当している SAP 技術分野、ソリューション領域について

SD / MM / PP のモジュールコンサルを担当しています。
SAP の認定は 3.x / 4.x / ERP2005等 の各バージョンで、SD / MM / PP の資格を取得しております。

プロアクシアコンサルティングではどのようなお客様に向けたサービスを提供してますか

お客様の SAP ERP (最近は S/4HANA) 導入プロジェクトに、モジュールコンサルタント / アドオン開発技術者 / BASIS 技術者が参画させていただいております。

従来の SAP ERP 導入プロジェクトでは、現場のユーザー様に対してレガシーシステムで提供していた機能が提供できるようアドオン開発を行うことが多かったですが、昨今のグローバル化対応に伴って、S/4 HANA 導入時に「Fit to Standard」の方針でシステムを構築されるケースが増えてきています。
これらの導入方針の変化を理解した上で、お客様に満足いただけるようにご支援をさせていただいてます。

参画させていただく業種に関しては特に限定はしておらず、多くの業種のお客様とお仕事をさせていただいております。

どのような実例、実績がありますか。

私個人としては 、最近では製薬業、重工業、電機や化学といった大手の製造業のお客様向け SAP 導入を担当してきました。

担当させていただく作業工程としては、ここ数年は要件定義や基本設計といったプロジェクト前半の工程を担当することが多いです。

SAP コンサルタントとして大事にしていること

SAP スキル面での自分の対象範囲 (例えばモジュールとか) を限定しない方がいいと考えています。

例えば、モジュールコンサルはモジュール別に担当範囲を区切ろうとすることがありますが、お客様の業務上の区切りとは一致しません。 過去にあるモジュールコンサル(他社の方)が 「FI-AA (固定資産)の担当です」と名乗っていたのを聞いて「そこまで区切るか」と驚いたことがあります。

販売業務あるいは製造業務を担当する場合、「私は SD コンサルだ、私は PP コンサルだ」 と言っても MM の知識がなければ仕事になりません。
プロジェクトにおいて担当責任範囲は明確に定義しないといけませんが、それはモジュールで区切るのとは別の話だと思います。
ロジであれば SD と MM、あるいは PP と MM の二刀流、できれば SD / MM / PP の三刀流を目指していただきたいと思います。同様に、会計であれば FI と CO の二刀流となります。
ただ日本企業の場合、管理会計を MM で実装している会社もいくつかあるのですが、「モジュールが何であっても会計であれば対応する」 という選択肢もあると思います。

お客様とベンダの両者にとって重要なことは、対象業務をシステム化することであり、実現方法 (ツールやモジュール) に必要以上に拘らなくてもいいと思います。

また自分の付加価値を高めるという観点では、複数モジュールに対応することは重要ですが、それ以外にもマルチリンガルやビジネスコンサルタントのスキルを身に付けることも有効だと思います。

SAP コンサルとして大変なこと、楽しいこと

スクラッチで開発をする場合、お金と時間さえ許せばユーザー様のご要望に応えることができるのですが、SAP ERP の場合は全体最適を目的として導入されますので、どうしても現場のユーザー様のご要望に合わせきれない部分があり、その辺りが難しいところです。

様々な業種のお客様の業務に触れ、その業務のシステム化のポイントを習得できることが、この仕事をすることで得られるメリットだと思います。

お客様の業務知識、SAP 知識をどうやって身に着けたりアップデートしているか

SAP の知識については、気になる点があれば SAP Online Help を熟読するか SAP Note を調べます。それ以外にも、SAP 技術情報が詳しく載っているサイト(主に英語表記ですが)を検索し、対象機能の要点を把握しています。
実際のインプリメントに関係する場合は、できるだけ実機を利用して納得いくまで検証するようにしています。また、最近は社内の情報共有が盛んに行われているので、同僚に確認や質問をすることも増えてきました。

今まで経験したことの無い業種を担当する場合であれば、その業種に関する書籍を読むことも有効な手段です。
最近ではお客様の HP で IR 情報が公開されているので、主要な物は読むようにしています。特に 「有価証券報告書」 はお客様の商流や拠点の概要を把握するのには有用ですし、最近では株主向けにビジュアルでわかり易い報告資料が公開されている場合がありますので、大変参考になります。

例えば同じ製造業でも自動車・半導体・製薬では商流・物流は大きく異なります(下図参照)ので、システム化にあたり各業種の特徴を押さえる必要があります。

プロジェクトを成功に導くためのポイントは

責任範囲のグレーゾーンを作らないことが重要だと思います。
責任範囲が不明確だなと思う箇所があれば、うるさく思われても担当者の明確化を行うべきです。責任範囲が不明確な箇所はトラブルの温床になります。

お客様のニーズを満たすためにどのようなアプローチを行いますか 

過去の多数の SAP ERP 導入事例を分析すると、先に BPR (ビジネスプロセス・リエンジニアリング) を実施し、その業務改革を実現するツールとして SAP ERP が選定されるというステップを踏んだ案件が成功しています。

お客様の経営層が、「全体最適」 を目的とする経営者のためのシステムとして、SAP ERP を導入することを理解していただければ、プロジェクトは成功し、お客様のシステム導入目標(例:経営環境の変化にシステムが短期間に対応できる)を達成できると思います。

今後どのようなソリューションを提供していきますか

弊社では、オープンソリューション部隊が先端的なアーキテクチャ―を利用したソリューションを提供していますので、ビジネスソリューションとオープンソリューションとのクロスオーバーなビジネスを提供していきたいです。

周辺システムといえど基幹系業務のシステムの場合、技術面の優位性やアーキテクチャを語るだけではお客様に聞く耳を持っていただけません。お客様に興味を持ってもらうには、業務面での必要性や導入効果、メリットを提示しないといけません。その役割はビジネスソリューション側のメンバーになると思います。

ビジネスソリューション側がオープンソリューション側のビジネスを開拓するというような協力体制で、新しいソリューションを提供していきたいと思います。

プロアクシアコンサルティングの SAP コンサルチームでの取り組み

チーム内での情報共有を推進しています。
個々のメンバーは積極的な情報収集を心掛けるだけではなく、組織として相互互助的に情報を共有する仕組みが必要だと思います。

特に経験の豊富なベテラン技術者は、過去に習得した経験や知識を若い技術者に提供していく責務があると思います。
プロアクシアコンサルティングの SAP 技術者の人数はそれほど多くはありませんが、豊富な経験とスキルを持ったベテラン技術者の割合が高いので、相互に知識を共有することで各メンバーの付加価値を上げていくことができると思います。

今後 SAP コンサルを目指す人へのメッセージ

漫画のミナミの帝王で萬田銀次郎が 「法律は弱い者の味方やない。知ってる者の味方なんや。」 と言っていますが 「情報」 も 「法律」 と同じなんだと思います。
口を開けて待っていても慈悲深い人達が 「情報」 を持ってきてくれたりしません。自分から貪欲に 「情報」 を取りにいく人間と、ただ待っている人間では数年経ったら大きな差が生まれます。
気になった点があったら納得するまで何時間でも調べる。その時は拘っている時間が勿体無く思っても、後日それが役立つことが多いと思います。

ERP の導入を担当することで、お客様の業務をどのようにシステム化していくか、そのポイントを効率良く習得できると思います。
SAP ERP も1つのツールです。ツールの詳細を把握するのも大切ですが、ツールが変わっても (極端な話、スクラッチ開発することになっても) どのような設計思想で業務機能を実現すべきか、その素養が身に付いているかどうかが大切だと思います。