【エンジニアブログ】SAP コンサルタントを目指す方へ

プロアクシアコンサルティングでビジネスソリューション事業部に所属しています R.O です。

今日は、SAP トレーニング講師の体験や、コンサルタントへの目指す方へ学習方法について紹介したいと思います。

これまでの経歴について

コンピューターに携わり始めた当初は、大型汎用機のプログラマーを担当していましたが、その後にスクラッチ開発の社内SEを経て SAP の財務会計 (FI) コンサルになりました。

社内 SE をしていたころは、顧客・契約管理、および受発注・在庫管理を担当していたので SAP システムに携わるまで、会計分野の経験が殆どありませんでした。

FI コンサルとなってからは、ユーザ保守、SAP 社トレーニング講師(ECC 6.0)、自社教育担当(経験者スキルアップ、新卒者の採用・入社後の新人教育)、新規導入等を経験してきました。
この中で、FI だけでなく ABAP も習得して認定資格を習得しました。

SAP 社トレーニング講師時に感じたことについて

私が SAP 社トレーニング講師を担当していた当時は、カリキュラムが現在と異なりトレーニング受講の最後に認定試験が含まれる内容になっていました。

トレーニング講師は SAP 社が準備したトレーニングのテキストに沿って、重要と思われる技術的内容を漏れなくお伝えできるように、実機デモを含めた講義シナリオを考えていました。

講義の中で、テキストの内容をもとに技術的に説明しても、それだけでは理解していただくのが難しい部分はどうしてもありますので、そういった箇所についてはユーザ保守をやっていたころの経験を活かして、「以前保守対応を行っていた時には~」と実業務での内容を合わせて説明するようにしていました。

これにより、技術面だけでなく実際の運用がイメージできることで、理解してもらいやすくなりました。

開発者向け研修担当時に感じたことについて

自社教育担当をしていたころに、SAP システムのプログラム開発担当者 (ABAPer) のスキルアップとして、 SAP モジュールをより理解してもらい、最終的には FI  認定試験に合格してもらうための社員教育を担当しました。

ABAPer の方は開発を担当しているため、技術的な知識はお持ちですが機能全般をご存じとは限りません。
機能面の知識を伸ばしていただくために、テキストの内容を説明するだけでなく、以前開発したプログラムの仕様をサンプルにして「あの処理はこの SAP 機能を前提にしている」というように、できるだけ具体例を使って説明することで、イメージを深めていただくよう心掛けました。

また社内に SAP システムを触れる環境もあったので、できるだけ実機を使って説明して自習時にはどんどん触ってもらうようにしました。実際に SAP システムを利用することで、正常系、異常系も含めて多くの動作を体験することができ、機能の理解が深まったと思います。

その結果、受講者が優秀であったことは言うまでもありませんが、受講した2名は2か月弱の学習期間でお二人とも認定試験に合格されました。

新人教育向け研修時に感じたことについて

SAP 社のトレーニングや自社や参画先のプロジェクトにおいて、新入社員向けに SAP の研修を担当する機会もありました。

新入社員への研修の場合、経験者向けの研修とは異なり実務経験がないため、技術的な要素や機能の内容を細かく説明しただけでは、理解いただくのが困難でした。
このため SAP の技術的な説明をする前に、まずは会社の業務を流れや背景を先に説明するようにしました。

例えば「会社は年度末に決算といって、1年間の会社の財産を整理する業務を行います」というように、実務の流れも説明することで、どういった目的でどういった業務を SAP システム上で実行しようとしているのかのイメージをつかんでいただきやすくなります。

そのうえで、SAP の機能としてどのように動作するのか、どういった設定があるのか、を説明することで、よく理解いただけるようになりました。

SAP の学習の進め方について

上記に示したような色々な研修で講師を担当してきた際の経験として、SAP システムを効率的に学習してもらうには、モジュールの機能からだけ勉強するのでなく、以下の3点セットで学習を進めていくことが大切だと考えています。

会計モジュールを例にします。

①どういう業務があるのか

既に一般的な業務知識をお持ちであれば、この部分に割く時間は少なくなります。
前提知識に実際のお客様が行われている実務手順をリンクさせて、検討のための土台を作れればひとまず終了です。

業務知識があまり深くない方であれば、「新入社員のための経理業務」という部類の本を用いて、学習することを推奨します。これにより、どのような実務があり、どのように繋がっているのか、という流れがイメージできるようにしておきます。

②SAP システムでどうやって処理するのか

①で把握した業務をどのように SAP システムで処理するか、SAP の処理とオペレーションを覚えます。

SAP の処理は名称だけではどのような処理かイメージしにくいものがあったり、派生した類似処理があるので、「何の処理を使って処理をするか」を自分で明確にしておきます。また「何の処理を使って」だけ覚えても、実際にどのような値を入れて使うのかがわからなければ、自分も機能検証ができませんし、お客様へ説明ができません。

何の処理を使うのか、画面の項目はどのような値を指定するのか、画面のアイコンはどのように使うのか、といったオペレーションを含めて、「どうやって処理をするのか」を理解し覚える必要があります。

③処理をするためにSAP システムにどういう設定が必要なのか

SAPのシステムは事前に「パラメータ設定」といって、システムを動かすための設定が必要です。パラメータ設定が足りなかったり間違っていると、想定していた結果にならなかったりエラーになってデータを登録できない事があります。

そのため、実行した処理を正しく動かすための設定画面と設定すべき内容を理解します。

この3点セットを身に着けることで、

お客様からの要望の理解 → 要望の実現方法検討 → 要望の実現

ができるようになります。

プロジェクト参加後のスキルの高め方について

業務は何事も小さなことの積み重ねです。
経理業務を例にすると、現金の入出金管理、銀行口座の入出金管理といった小さな実務が積み重なって、決算書を作成したり、会社の予算/実績管理をしたり、資金繰りを行ったりします。

プロジェクトに参画するとは、お客様の環境に合わせたSAPシステムを構築していくという事です。お客様の要望をいち早く、そして正しく理解するには、一般的な業務の流れが頭に入っていることが肝要です。レアな業務や、お客様のローカルルールの運用が存在するケースでは、後で検討漏れとならないよう、必ずヒアリングで確認します。

新卒の方や経験の浅い方は、すべての用語を理解した状態ではないと思いますので、「SAP の学習の進め方について」に記載しましたように、「新入社員のための~」や「初めての~」といった業務入門本と照らしあわせながら、業務内容や業務の流れを把握していくようにすれば、徐々にプロジェクトでお客様が話す「何がしたいのか」を早い時期から理解しやすくなると思います。

そのような経験を積んでいくと、基本的な業務を使って他にどのような管理が可能かを考えられるようになります。そして基本的な業務のこの部分を変えれば、後続の作業が便利になるのでは?という提案を考えられるようになります。

提案ができるようになると、良い評価につながり、担当業務の難易度アップのチャンスや自分の自信につながります。

SAP システムは他のシステムよりも、経験を積む事が大変重要だと思います。
同じ SAP というシステムを使っていても、入力するコード管理を含めた運用は、グループ会社全体への導入でない限り千差万別です。また、同じ意味の言葉であっても、各お客様によって呼び方が異なる場合も多くありますし、導入時の要件定義で他社事例をご紹介しても、同じ対応を選択されることはなく、必ず何かが違います。

このため、さまざまなプロジェクトに参加していると、用語や業務運用やシステム構成など多くの事を体験することができ、経験したものは全てスキルになります。
多くの経験を積むことで、柔軟な対応につながり、幅広く活躍できるコンサルタントに成長できると考えています。

私自身これからも、様々なお客様の様々なプロジェクトで大勢の SAP コンサルタントの皆さんと経験を積むことによって、SAP FI コンサルタントとしてさらに成長していきたいと思います。